遺言について(7) ~遺言の執行が不可能な場合(1)~

今回は、遺言を執行するにあたってのトラブルの事例紹介です。
テーマは『農地』の『遺贈』です。

現況(現在の利用状況)に係らず登記の地目が“田”“畑”などの農地である土地を遺贈する場合には、注意が必要です。

農地の所有権移転(売買・贈与等)や地上権などの権利を設定する場合には、“農地法”第三条に基づき、事前に農業委員会の許可が必要となります。
この許可がないと、登記できません。

ただ、除外規定も多々あります。
相続に関係する規定をピックアップしますと、
・相続人による遺産分割
・財産分与に関する裁判若しくは調停等
・包括遺贈
・相続人に対する特定遺贈
は、許可の必要はありません。

気を付けないといけないのが、相続人以外の方への特定遺贈です。
これは、除外期待はありませんので、許可が必要です。
この場合、農業を営むことができるかどうか審査され、不適格と認められれれば、許可されません。
具体的には、自宅から農地までの距離が車で数時間かかるなどがあげられます。

許可が下りなかった場合の対処方法としましては、特定遺贈の放棄や、農地の転用があげられます。
しかし、市街化区域にある農地であれば転用はしやすいかもしれませんが、地域によっては転用しにくい所もあるでしょう。
もし、これから遺言を作りたいと思われている方は事前に対処できるのですが、もう遺言を作成して今回のケースに当てはまるかもと思われた方は、直ちに専門家へご相談された方がよいと思います。

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遺言について(7) ~遺言の執行が不可能な場合~

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