遺言について(5) ~遺留分(4) 遺留分の相続(続き)~

今回も、遺留分の“相続”について書きます。

前回は“非嫡出子”がどのタイミングで遺留分減殺請求を行うかが問題でした。

まず最初に思いつくのが、実父が死亡した際です。
妻が生存中の場合、相続人は配偶者と実子3人の4人で遺留分は
1/2×法定相続分1/6=1/12
となります。
妻が先死亡の場合、相続人は実子3人のみで遺留分は
1/2×法定相続分1/3=1/6
となります。
配偶者が生存中かどうかで倍違ってくるということですね。

次に、妻が先に死亡し、その一年以内に夫が死亡した場合です。
前回の<仮定2>で、妻は実子2人にのみ相続させる公正証書遺言を作成したものとしました。
まず、妻が死亡した際に、夫は遺留分減殺請求を実子に対して行う権利があります。
請求は、自分の遺留分が侵害されていることを知った時から1年です。
同時に公正証書遺言を作成したのであれば内容を知っているでしょうから、基本的に死亡の日から1年となるでしょう。
(もし行方不明の場合や後見状態などの場合は知ることはできないので、さらに延長されます。)
その期間中に何もせず夫が死亡した場合、夫の相続人に遺留分減殺請求権が相続されます。
夫の遺留分1/4×非嫡出子の法定相続分1/3=1/12
つまりこの場合、
非嫡出子は実父の遺産に対する遺留分1/6
実父の妻の遺産に対する遺留分1/12
の遺留分減殺を行われる可能性があります。
本来は相続する権利が全くない実父の妻の遺産に関しても減殺請求の対象となることは、盲点となります。

遺留分は相続されることを必ず忘れてはいけません。

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遺言について(5) ~遺留分(4) 遺留分の相続~

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