遺言について(5) ~遺留分(2)~

今回は、遺留分の計算の基準となる財産について書きます。

前回、遺留分は遺産に対する割合と書きました。
では、その遺産とは何かと言うことですが、民法第1029条では次の通り指定されています。

①被相続人が相続開始時点において有していた財産の価額
贈与した財産の価額
③①と②の合計額から債務の全額を控除

つまり、相続が開始しないことには、遺留分により権利者(遺留分を有する相続人のことをいいます。)が保全されるべき額を算出することはできません。

以前に、ある弁護士のHPにて「遺留分が確保されていない遺言は無効だ」と書かれていたのを見たことがあります。
それも一人や二人ではありません。
また、遺言作成時に「遺留分を確保しなければならない」と書かれているのも見たことがあります。
正直、理解に苦しみます。
預貯金など簡単に分けられるものだけならまだしも、不動産が多い場合はどうするのか?
相続開始時点の不動産の価値など、予知能力者でもないかぎり遺言作成時にわかるわけがないのですから。
このような無責任な指導で遺言を作ってしまい、遺言執行した後に不動産が維持できず不本意ながら売却せざるをえなかった方から相談を受けたことがあります。
ある士業の指導の下に気前よく遺留分を考慮した遺言を作成した結果、賃貸不動産の借入の返済資金や預り保証金のやりくりが出来なくなったのです。
結果、被相続人から「ここだけは大事にもっておけ」と言われた土地を売却されました。
相談する相手が悪かったの一言で終わってしまうのですが、納得できないですよね。

前回ブログ
遺言について(5) ~遺留分(1)~

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