贈与について(7) ~借地の解除~

贈与について、今回は7度目の投稿です。

今回は、借地の解除につきまして一例を掲載します。

先日、ひょんなことから相談を頂いたのが、“借地”契約の解除についてです。
借地は、かなり以前(と言っても戦後すぐぐらいとのことなので、昭和30年頃で、賃貸借契約書は見当たらないとのこと)からされており、家を建てて借地人の方が住まわれていたようなのですが、その借地人の方が数年前から施設に入所したため、だれも住まなくなったとのことです。
すると、建物が老朽化し雨漏りや壁の腐食も目立ち、また倒壊の恐れがあると近隣住民から苦情が寄せられるようになったとのことで、借地契約を終了したいと借地人の方から申し出があったようです。
この時に心配されたのが、借地権を解除すると、贈与税や所得税などの思わぬ税金がかからないかと言うことでした。

一概には言えないのですが、今回の場合は、借地権の解除(返還)による税金の心配がないと判断できました。
(もちろん、建物の状況や地代の支払、借地人と貸地人の認識など、細々とヒアリングして判断しました)

最も注目すべき点は、いつ借地契約が締結されたのかでした。
貸主・借主ともに一致していたのが、契約書はないが昭和30年頃から開始しているということで一致しました。
このことから、本件の借地契約は旧の借地法適用対象になると判断でき、その借地権の消滅事由の一つに「建物が朽廃した場合」(旧借地法2)と定められていることから、借地権は“自然消滅”したものと判断できます。
つまり、今回の事例は、消滅して価値がないものに対して税金などかかりようがないということになりました。

法律は、現行法だけでなく、改正前の法律もしっかり調べないといけないとつくづく思い知らされた事例でした。

尚、今回の事例が全てに当てはまるとは言えないので、個別の案件につきましては専門家にご相談ください。

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