贈与について(10) ~法人への贈与~

贈与について、今回は10度目の投稿です。

今回は、法人への贈与についてです。

法人への“物”の贈与で最も気を付けなければならないのが“みなし”譲渡です。
個人から法人へ贈与した場合には、時価による譲渡があったものとみなして、個人は譲渡所得税(もしくは山林・雑)の申告、法人は時価相当額の受贈益を計上し、必要に応じて法人税を申告することとなります。
必要に応じてというのは、法人は個人と異なり所得の種類に応じて課税されるわけではないので、受贈益以外の活動や繰り越し欠損金次第で税負担が変わってきます。
と言うのは余談ですが、お気付きかとは思いますが、この場合だれも贈与税を申告・納税することはありません。

法人が贈与税を納税するパターンはあまりありません。
さらに言うと、株式会社などのいわゆる持分の“定めのある”法人では考えられません。
あるのは、社団法人や財団法人などの持分の“定めのない”法人です。

持分の定めのない法人に対して贈与し、且、その贈与により本来は“個人が”贈与税を負担すべきなのに法人を利用して“不当に”税負担を減少させたと判断される場合です。
(条文上は、もう少しこむずかしく書かれております。)
極端な例でいえば、子供が運営する公益社団法人へ自宅を贈与し、その子がそのまま住み続けるイメージでしょうか。
実際には監査が厳格でなななかありえないとは思います。
それよりも現実的なのが、持分のある医療法人で、出資者がその持分を放棄する場合です。
但し、現在は持分のない医療法人への移行が奨励されており、贈与税の納税猶予(H29/9/30迄)や非課税規定などがあります。
(もちろん無条件ではなく、いろんな規定をクリアしなければなりません)
因に、厚生労働省は特例の延長や拡充を要望しております。

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