民法改正案 「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案」 その7

今回は「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案」その7です。
と言っても、前回までは民法についてだったのですが、“家事事件手続法”についてです。
民法の改正に伴い、関連して家事事件手続法(家庭裁判所)も改正案が出されていますので、少し覗いてみます。
今回は、「遺産の分割の審判事件を本案とする保全処分」です。

(以下は簡便的に家事事件手続法内の条文番号のみ記載します)
(内容は、一言一句正確な条文案ではないことをご了承ください)
第200条(遺産の分割の審判事件を本案とする保全処分)の第三項の新設
・現第三項は第四項へ移設
・遺産分割の審判又は調停の申し立てがあった場合において、家庭裁判所が必要があると認めるときは、申立てにより預貯金債権の全部又は一部を必要な者に取得させることができる。
・必要があると認められる事項として以下3点の記述があります。
イ)相続財産に属する債務の弁済 : 例えば、被相続人が金融機関より借入をしていて、その返済のために遺産である預貯金から支出する場合や、遺産である不動産に係る固都税の納税などが該当するのでしょうか。
ロ)相続人の生活費の支弁 : 例えば、被相続人の扶養者で収入がない者は、被相続人の預貯金が凍結されると生活できないので、それにたいする手当ということでしょうか。
ハ)その他の事情 : 葬儀・葬祭費用などが含まれるのでしょうか。
・但し、他の共同相続人の利益を害するときは、認められない。

平成28年12月の最高裁判決がでる迄は、遺産分割が調う前でも、共同相続人1人だけで預貯金“債権”から法定相続分の取得(出金)が出来ていたのですが、それ以降は共同相続人全員の同意がなければ出金手続きがストップしているようで、それはまずいと色々と考えたのでしょう。
以前に紹介しました改正案の民法第909条の2(遺産の分割前における預貯金債権の行使)と歩調をあわせたかったというのもあるでしょう。