新法 「法務局における遺言書の保管等に関する法律」 その1

前回まで「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案」を細分化してみてきましたが、今回からは新たに制定される「法務局における遺言書の保管等に関する法律」です。
過去から現在まで、自筆証書遺言は生前中は手軽な反面、「遺言書としての要件の不備」「紛失」「検認」等相続が起こってから(遺言者が亡くなってから)のトラブルが絶えません。
できるだけ、この不備をなくしていこうというのがこの法の趣旨のようです。

平成34年4月1日施行を目指しております。

特に2点について注力したようです。

1.紛失防止の為、法務局にて自筆証書遺言の保管と情報の管理を行う。
2.上記1の遺言書については、家庭裁判所の検認を省き円滑な手続きをすすめる。

自筆証書遺言と公正証書遺言は、いくつか違いがありますが、最大の違いは2つ(あくまでも独断と偏見です)あります。
①遺言としての法律上の要件について、公正証書は誤りが無い(理論上)が、自筆は遺言者の知識と書体の安定性次第(要件が欠けたり読めない文字で書かれていても遺言書として意味をなさない)
②公正証書は検認不要だが、自筆証書は検認が必要(公正証書は公証役場に原本が永久ではないが長期間保管され、変造などの心配がないため)

①につきましては、民法改正案にて、自筆証書遺言でも目録について全頁に署名押印は必要ですが自署以外(ワープロ等)も認められるよう進められております。
これから紹介する法律は、②について対応していこうということだと思います。 法務局にて保管されるので、変造の心配もないということですね。

但し、検認の作業は、遺言書の有効性の検証とは全く異なることはこれまでもたびたび紹介してきました。
つまり、検認したからと言って遺言が有効とは限らない(登記や名義変更などができるとは限らない)のです。
それが嫌なら、公正証書遺言にしようということですね。