改正民法が公布

本日、債権法などが改正された民法が公布されました。
インターネット版の官報(6月2日)号外116号に「法律第44号」“民法の一部を改正する法律”として公布されております。
因に、施行日はまだ不明です。
法律は、施行されていなければ、唯の予言なので、ブログを掲載する本日時点においては、従来通りの民法が適用されますし、現行民法上において成約した契約については、基本的に有効です。
但し、遺言執行者などについては、相続が発生して執行者に就任した時点の法令の影響を受けるでしょう。

公布された法律をなかなか読み込めず、ブログもなかなか更新できていないという、ジレンマに陥っている今日この頃です。
(頻繁に更新しようと決心した矢先なのですが・・・。 先が思いやられます。)

大改正といろんな新聞やインターネットニュースの記事で騒がれておりますが、不動産賃貸に関して、敷金や原状回復などは、現行の判例やガイドラインなどを明示したに過ぎない点が多く、そんなに心配する必要はありません
(新)607条の2 賃借人による修繕
(改正)621条 賃借人の原状回復義務
(改正)622条の2 敷金
この3つの新設・改正が興味深かったです。
もちろん、これ以外にもトラブルは多いのですが、特にこの3つはドラブルも多くよく問題になっており、国土交通省のガイドラインの助けを借りていた状態だったので、なんとか法律に明文化したかったのでしょう。

特に、『敷金』に関しまして、各種記事などで敷引きは無効となるのではないかと心配されている方も多かったと思います。

「賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭」 ⇒ 敷金
「次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返金しなければならない」

622条の2につきまして一部を抜粋しましたが、敷引きの禁止について明文化はされていないと思います。
敷引きとはいろんな目的が混然となったもので明確化はできませんが、少なくとも『経年劣化や通常損耗の修繕費』も含まれているはずです。
と言うと、通常損耗は貸主負担だろうと張り切る方がおられますが、そもそも、家賃や敷引きで経年劣化・通常損耗分の修繕費に相当する金銭を徴収しているのに、別途請求することがおかしいということで問題になっていたわけです。
つまり、経年劣化・通常損耗はいずれ誰か(基本貸主なのですが)が修繕しなければならず、その経費負担を一切賃借人へ求めてはいけないとなると、不動産経営など一切立ち行かなくなります。
結論としまして、敷引きも賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務に含まれている私自身は解釈しております。
政令やコメンタール等の補足・解釈文が公開されることを望みます。

相続法に関しては、全くの手付かずといってもいいでしょう。
家族法を含め、全体的な法体系の見直しを行ってこそ、大騒ぎすべきと思うのですが。