平成30年度 税制改正 ~相続税の納税猶予を適用している場合の都市農地の貸付けの特例の創設~

三大都市圏内の土地で農業経営をしている場合、基本的に農地を生産緑地に指定し、相続が起これば納税猶予を適用し、農地に対する相続税の納税を猶予(うまくいけば免責)するのが定石と言えます。
この納税猶予について、最低限守らなければならな条件として、「相続人自身が農業経営を行い続けること」「生産緑地を解除しないこと」がありました。

これらの条件は色々と変わってきています。
例えば、病気などで農業経営ができなかったりすると親族へ農業経営を引き継いだり、農地に地上権が設定(例えば農地の上に太陽光パネルなど設置する為に賃貸借)されたとしても農業が出来るのであれば直ちに納税猶予が確定(猶予された税額と利子税の支払)というわけではなくなりました。

今回は、農地そのものを農業の為に貸し付けた場合の特例について紹介します。

平成30年6月20日に衆議院(参議院が先決)にて可決され同月27日に公布された『都市農地の貸借の円滑化に関する法律』というものがあります。
耕作の為に事業計画を作成し、農地の所在地の市町村長等を経由して農業委員会の決定と認定を受けた後、農地所有者から賃借権を設定して借り受けて農業を行った場合、農地法3条その他の関連条項については適用せず、円滑して賃貸借できるというものです。
この法律の施行の後にこの賃貸借をした(もちろん税務署へも届出が必要)としても農業経営を廃止していないものとみなされ、納税猶予は継続されることとなりました。(旧法に基づく猶予適用者についても適用を受けられるようです。)

注意は、だれでも賃貸借できるというわけではく、それなりの事業計画を作成し認可が下りればということです。

あと、この賃貸借は農地法17条の法定更新は適用されません。
期間が終了すると返還されます。
返還後に耕作を放棄すると納税猶予の確定事由になりかねないので注意が必要です。