平成28事務年度における相続税の調査の状況について (続き)

前回、億税調発表『平成28事務年度における相続税の調査の状況について』について記載しました。

中身につきましてもう少し突っ込んでみてみます。

申告漏れ相続財産の課税価格:3,295億円(前事業年度比+291億円)
追徴された相続税額:716億円(加算税を含み、前事業年度比+133億円)

課税価格とは、不動産については評価額、預貯金につきましては残高です。
つまり相続税を計算する財産の価格です。
これに遺産総額に応じた税率がかけられ相続税額が計算されます。

では次に、申告漏れ財産のTOP4は次のとおりとなりました。
①現金・預貯金 1,070億円
②有価証券     535億円
③土地        383億円
④家屋         56億円

今更ながらなのですが、これは日本全国の合計です。
預貯金の計上漏れの指摘が突出しております。 2位の有価証券とはダブルスコアですね。

おそらく、3位の土地については、評価方法の見直しが多分に含まれていると推測されます。
(小規模宅地等の適用可否や賃貸借割合の見直しなども含まれます。)
土地が漏れることはほとんどありませんが、時々見受けられるのが、日本列島改造論に合わせてど田舎のリゾート施設と称する原野や山林などを購入していた場合、固定資産税評価額があまりにも低すぎで課税明細も送られてこず、忘れ去られてしまうというケースです。 ご本人の方も恥じられるのかご家族にも内密にされておられることはよくあり、税務署から指摘されて初めてわかったということもあります。 但し、この場合は、漏れてるとは言えせいぜい数万円程度が大半です。

有価証券は上場株の帰属の問題(借名株)、非上場会社株式の評価方法の差異や帰属の問題(借名株)もあるのでしょう。

でも、なんといっても、現金・預貯金がダントツですね。
これは、殆どが帰属の問題(借名財産、いわゆる名義預金)ではないでしょうか。
預金など、土地などと違い、評価額にずれが生じるなどあまり考えられません。
併せて掲載されている平成24事務年度以降の構成比でもダントツであることがわかります。
コンピュータ化が進み金融機関も電子情報で管理するようになって、課税当局も調査が楽になったのでしょうね。
これからはマイナンバーが徐々に稼働していきますので、預貯金の調査がさらに進むかもしれませんね。

参考情報
国税庁報道発表資料>平成28事務年度における相続税の調査の状況について
大阪国税局報道発表資料>平成28事務年度における相続税の調査の状況について