平成27事務年度における相続税の調査の状況について

先日、国税庁より『平成27事務年度における相続税の調査の状況について』が発表されました。

事務年度とは、国税庁をはじめとする税務署などの事務処理期間で、7月から翌年6月末までの期間をいいます。
つまり、平成27事務年度とは、平成27年7月1日~平成28年6月30日の期間をいいます。
(わかりやすく言うと、税務署はこの事業年度で活動しているということです。)

国税庁発表(全国の国税局及び税務署の合計)によると、平成27事務年度中に行われた実地調査(いわゆる税務調査)は11,935件で、平成26事務年度の12,406件と比べるとわずかですが減少しております。

あれ、平成27年から相続税の申告件数は増えているのではと疑問に思われた方もおられるかもしれません。
理由は、申告書を受理しても、税務調査にかかれるのは大体2年後ぐらいのようです。
事実、平成27事務年度の実地調査は、“平成25年”に“発生”した相続を中心に行われたようです。

なぜ2年もかかるのかと言うと、その間は何もしないのではなく、過去の申告状況だけでなく金融機関の取引履歴なども取り寄せ、慎重に調査対象を絞っているのは確かだと思われます。
そう思う理由は、実地調査1件当たりの追徴税額は489万円と、平成26事業年度の540万円から減少しているものの、重加算税の賦課割合は12.8%と、前事業年度比+0.4ポイントとなっていることです。
より悪質度が高いと判断した案件から優先的に調査を行っていることは確かです。

因に、大阪国税局管内の調査実績は次の通りです。
①実地調査件数 1,958件(対前事務年度比89.5%)
②申告漏れ等 1,676件(対前事務年度比91.0%)
③非違割合(②÷①) 85.6%(対前事務年度比+1.4ポイント)
④重加算税賦課件数 157件(対前事務年度比98.1%)
⑤重加算税賦課割合 9.4%(対前事務年度比+0.7ポイント)

大阪国税局管内の調査数は全国の約16%です。
最も多いのは、当然なのですが東京国税局管内です。 3,194件と全国の約27%あります。
つまり、それだけ職員数も多く事務処理数も圧倒的に多いということでしょう。
名古屋国税局管内は1,722件です。
東京・名古屋・大阪の三大都市圏の国税局管内の調査を合計しますと6,874件(約57%)で、全国の過半を占めています。

参考情報
国税庁報道発表資料>平成27事務年度における相続税の調査の状況について
大阪国税局報道発表資料>平成27事務年度における相続税の調査の状況について