失踪宣告の取り消し その2

今回も、“失踪宣告の取り消し”について確認します。

前回は、生存が確認された場合でしたが、今回は死亡はしていたが正確な相続開始日は異なる日であったことが判明した場合です。

死亡とういう事実そのものは変わりないのですが、実はこの場合も失踪宣告の取り消しが行われます。
この場合、親族その他の利害関係人が家庭裁判所へ請求することとなり、請求され次第家庭裁判所は宣告を取り消さなければなりません。
なぜかと言いますと、あくまでも相続人とは相続が開始した時点において確定しますから、相続開始日が異なれば相続人も異なる可能性がある為です。

例えば、ある者(P)が失踪の宣告を受けて遺産分割を行った。
その後、(P)相続人の一人である(P)の子供(S)が死亡し、(S)の配偶者(W)とその子供(S’)が(S)の遺産(Pの財産も含まれる)について分割を行った。
さらにその後、(P)は(S)より後で亡くなっていたことが判明した。

この場合どうでしょうか。
(P)の正しい相続人は誰でしょうか。
(S)は(P)より先に死亡しているので、相続人ではなかったということです。
さらに言うと、(W)は(S)からの相続を通じて、本来であればもらうはずがない(P)の財産を取得していたこととなります。

あくまでも一例ですが、その他色んなケースが考えられます。

次に、今回の失踪宣告の取り消しがあった場合の“効果”について確認してみましょう。
①戸籍 ⇒ 訂正されます。
②遺産 ⇒ 正しい死亡時(相続開始時)の相続人に対し、誤って相続した者は残っている財産を返します。(全部を権利者に返還する必要はありません)
③婚姻 ⇒ 変化なし(死亡なので再婚していても何ら問題なし)

前回ブログ
失踪宣告の取り消し その1