失踪宣告の取り消し その1

今回は、“失踪宣告の取り消し”について確認します。

もし、記憶喪失などで家族に連絡を取りたくても取れずそのまま失踪宣告を受けてしまったが、その後奇跡的に記憶が戻り家族のもとへ帰ってきた場合について考えてみましょう。

もちろん、生存しているので、“死亡”とされた戸籍を元に戻さなければなりません。
この場合、本人もしくは親族その他の利害関係人が家庭裁判所へ請求することにより失踪の宣告が取り消されます。

次に、失踪宣告の取り消しがあった場合の“効果”について確認してみましょう。
①戸籍 ⇒ 回復します。
②遺産 ⇒ 相続人は残っている財産を返します。(全部を権利者に返還する必要はありません)
③婚姻 ⇒ 残された配偶者が再婚していた場合 (イ)重婚説(ロ)前の結婚は復活しない とする説に分かれるようです。

民法第32条は以下のとおりです。

(失踪の宣告の取消し)
第三十二条 失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。
2 失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消しによって権利を失う。ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。

第一項の「・・・その取り消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。」とあることから、権利は回復するものの全てにおいて元に戻ることはないということです。

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