修正申告の取り消しはできるか?

今回は、税務調査と修正申告について書きます。

国税不服審判所の平成27年3月26日採決に関してです。
詳細は、審判所のHPにて公開されていますので、興味のある方はご覧いただければと思います。

要は、修正申告書に署名押印して提出すれば、ほぼ取り消しは出来ないと言うことです。
(署名押印するということは、そう軽いものではないということですね。)

そもそも、不服審査制度についてですが、税務署が行った更正(申告の一方的修正)や決定(無申告の一方的納税)に不服がある場合に、裁判の前にまずは通過しなければならない手続きとなります。

今回取り上げる争点ですが、所得税と消費税のそれぞれの申告書について7年分さかのぼられて税務調査を受け、修正申告書をそれぞれ提出し、その後に重加算税や無申告加算税などが課され、我慢できず不服申立を行ったようです。
(実際の事件の詳細では、二転三転あったようです)

争点は3点あったようです。
①修正申告が、調査手続の違法または錯誤により無効となり、合わせて加算税等についても取り消されるか否か。
②過去の申告において「隠蔽し、又は仮装した」事実があったか否か。
③過去の申告において「偽りその他不正の行為」があったか否か。

今回は、①に関してのみ報告します。

そもそも、なぜに「調査手続きの違法または錯誤」と言うことになったのかと言うと、端的に言えば請求人(不服審査を請求された人と言う意味で、今回は申告書を提出し調査を受けて言われるがまま修正申告書を提出してしまった人)は税務調査について具体的説明がなく、調査職員の言われるがまま修正申告書を提出してしまった結果、本税だけでなくいろんな加算税を払えと言われたという無念さが根底にあるようです。

結論は、「修正申告とは納税者が自主的に提出するもの」なので、調査の有無は要件ではなく、さらに調査手続きの違法性を理由に取り消しになることはないということでした。
付け加えると、修正申告の錯誤無効の主張は、『単に納税者が錯誤に基づき申告したにとどまらず、その錯誤が客観的に明白かつ重大であって、法に定めた方法以外にその是正を許さないならば、納税者の利益を著しく害すると認められる特段の事情がある場合に限り許される』と解釈すべきとのことで、別の視点から言うと“はっきり言って認められることはない”ということではないでしょうか。

以前(7~8年前かな?)にも、「修正申告書を出さされたが納得できないので、納めた税金を何とか取り返せないか」と相談を受けたことがあります。
その時の回答が「修正申告書を出す前に相談に来られなければ意味がない」と突き放す回答しかできなかったことが、今でも残念に思っています。

なので、全てのことにいえるのですが、言われるがまま署名押印ではなく、その前に専門家に相談することが重要です。