不動産の賃貸借(9) ~家具の設置による床・カーペットのへこみ・設置跡の原状回復~

 今回は、家具の設置跡の原状回復の負担について確認します。
 具体的には、賃借人が入居時やその後買い増しにより運び込んだ家具を設置したことによる床やカーペットのへこみ・設置跡の原状回復の負担はどうなるのでしょうか。

 賃貸借契約書に別段の定めがされていない場合、設置したことだけによるへこみ・跡は通常の使用による損耗ととられるのが妥当とされているようです。
 つまり、賃借人に原状回復義務は生じないようですね。
 そもそも、日本は家具の保有数が多いというのが実状であるということが根底にあるようです。

 但し、契約違反や故意の損傷につきましては、もちろん原状回復義務があるでしょう。
 例えば、業務用・販売用の家具を賃貸人に隠れて持ち込んで、許容範囲を超えて損傷を与えてしまった場合や、家具を転倒させて床に傷をつけた時など。

 これに関連しまして、賃借人が依頼した引っ越し業者や販売社の搬入組み立て時に壁や床にひっかき傷が生じた場合、もちろん賃借人に原状回復義務が生じます。
 (業者が勝手にやったから知らないという理屈は通用しません。)

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不動産の賃貸借(8) ~冷蔵庫下のサビ跡やカーペットに飲み物をこぼしたことによるシミ・カビの原状回復~