不動産の賃貸借(6) ~結露で窓の周りが朽ちた場合の原状回復~

先日、確定申告の相談の際に、次のようなことを聞きました。

「マンションの1室を2年ほど借りてくれてた人が先日退去した。 退去後に確認すると、窓の周りがカビだらけで朽ち果てていると言ってよい状態だった。 明らかに、結露を処理しなかったのが原因。 ところが、仲介業者から“原状回復は貸主の責任だから、借主には請求できないよ”と言われ、高額な原状回復工事の見積書を提示された。 次の借り手を早く探したいので、出費は痛いが直ぐに着工の依頼をした。」

皆様、如何でしょうか。
おかしいと気づかれる点はありましたか?

結露とは、建物楮上の問題で発生する場合がほとんどのようです。
なので、業者からは「貸主が…」という言葉が出てくるのでしょう。

しかし、普通ほっときますか。
発生したら、その都度ふき取るなりしてカビなどでないようにするのがあたりまえだと思うのですが・・・。

ガイドランによると
『賃借人のその後の手入れ等管理が悪く、拡大したと考えられるもの』
とあります。
つまり “通常の使用による損耗を超える” ⇒ 賃借人に原状回復の義務有
推測されます。

ちなみに、賃貸借契約締結時におきまして、何らかの約束や条件追加
(例えば、原状回復についていかなる場合も免責)
されていれば別でしょうが。

なので、本当は、いきなり貸主の負担というわけではなく、
①契約終了・退去時に貸主と借主が明け渡された物件で立ち合い&状況確認
(管理会社もしくは原状回復の施工業者もいることが良いでしょう)
②汚損・破損個所の確認と、賃貸借契約書その他契約時に取り交わした書類で責任分担について取り決めがないか確認。
③取り決めがない場合には、通常の使用を超える部分について借主と原状回復の範囲・方法・負担割合を話し合い。
④見積費用の確認(立ち合いの後日となりますが、当事者双方確認)と清算方法を含めた合意。
⑤原状回復工事の実施。
⑥精算。
の順番で進めるべきだったのではないでしょうか。

そもそも、「とにかくはやく借手をみつけたい」という気持ちばかりが焦って、貸し手側に著しく不利な契約を締結しないよう、落ち着いて退去の事も考えて契約書の条文を確認しましょう。

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