不動産の賃貸借(22) ~壁のクロスの補修単位~

今回は、壁に貼られていたクロスを毀損させてしまった場合について、その補修の範囲について確認します。

賃借人が、不注意で壁のクロスの一部にキズをつけてしまった場合、まずそのキズの大きさについて確認しましょう。
画鋲などの小さい穴については、その穴が目立たないようにするだけで充分である場合が多いと思われます。
しかし、大きくはがれてしまったときなどは、どうしてもクロスの張替えが必要になってきます。
この場合、部屋一面のクロスを取り換える義務があるのでしょうか?

答えは、『最低限可能な施工単位で修理するのが妥当』とされているようです。
では、“最低限可能な施工単位”とはどの程度の事を言うのでしょうか。
これはキズの状態次第で賃貸人と賃借人が話し合いしなければならないのでしょうが、多くてもキズがあり張替えが必要な一面分が妥当とされているようです。
つまり、キズが無く張替えが必要ない面まで交換するということは、賃貸人が負担すべき原状回復義務を賃借人に行わせたということで、後々トラブルの原因にもなりかねません。
あくまでも不注意により毀損された箇所の原状回復であるということです。
さらに、経過年数も考慮されるので、最小限の張替えも全額賃借人の負担となるかどうかはわかりません。

なお、注意すべきは次の2点です。
①壁紙にとどまらず壁自体も大きく損傷した場合には、その壁自体の修繕も賃借人が補修する必要があるでしょう。
②最も重要なのは不動産賃貸借契約書です。 強行法規に抵触しない範囲で定められた事項は有効なので、まずは契約書の確認が必要でしょう。

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