不動産の賃貸借(21) ~敷金について~

今回は、敷金について確認したいと思います。

“敷金”と“保証金”の違いはご存知ですか?
答えは『同じ』です。 呼び方は違えど内容に違いなどありません。
強いてあげるならば、(仲介者の地元)地域の慣習として使い分けている場合があるということでしょう。

敷金は、いわば賃借人から預かった“担保”ととらえるのがもっともわかりやすいのではないでしょうか。
万が一、家賃滞納が発生したり賃借人が負担すべき原状回復費を払われなかった場合に、“最終的”に補てんできるように預かっているものです。
なので、あくまでも預り(賃借人が債権者)なので、なにもなければ全額返還すべきものでしょう。

また、地域によっては「敷引き」として一部返還しない契約を締結しますが、この敷引きについてはあまりにも高額であれば“無効”となりますので注意が必要です。
目安として賃料の2~3.5カ月分が上限であることは以前のブログでも紹介しました。
あと、敷引きには通常損耗の原状回復費の補てんであると解釈されていることも紹介しました。

でも、なかなかそれを受け入れられる賃貸人の方は少ないです。
なぜなら、税務上、敷引きについては、返還不要が確定した時点で収益計上する必要がある為です。
つまり契約書に無条件で敷引きの定めがある場合、契約締結時点でその敷引きを不動産収入として計上します。
いわゆる権利確定主義です。
なので、初めから賃貸人の帳簿上は敷引きが除かれた敷金しか計上されておりませんので退去時には預かった趣旨を失念し、原状回復を全額負担させようとされた賃貸人もおられました。

あくまでも敷金は担保として預かったお金であり、敷引きも退去後の原状回復費の補てんとしての性質をもつものであることを忘れてはいけません。

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不動産の賃貸借(20) ~賃貸借契約書に定める原状回復の範囲~