不動産の賃貸借(14) ~ペットのトラブルに関する原状回復~

 今回は、飼育ペットによる柱等のキズ・臭いの原状回復について確認します。

 まず、ペット飼育が許可されていたのかどうかが重要な問題です。
 “ペット可”という賃貸募集をちらほら見かけますが、全体的とはとても言えません。
 もし、ペットの飼育が禁じられているにもかかわらず飼育していたことによりキズや臭いが残った場合、これは用法違反となるので賃借人が原状回復するのは当然といえるでしょう。
 ただ、難しいのは、中には“飼育”という言葉自体が不快であると言い切られる方もいるということです。 つまり“同居”だと。
 賃借人の方が開き直って「ペットはおらず同居している者がいる。 損傷は通常使用の範囲」と言い切られたという方もおられました。
 これはどうしょうもないですね。 いくら話し合っても平行線なので。
 こういう時こそ、ADRセンターのご利用をお勧めします。

 次に、ペットの飼育が“可”となっている場合、まずは賃貸借契約書において原状回復の負担が定められていないか確認します。
 もし万が一にもない場合、ペットの躾や尿の後始末の不備などが考えられるので、賃借人の負担にて原状回復を行うのが妥当と判断される場合が多いようです。

 契約時において、賃貸人から口頭で許可をもらった場合、後日確実にトラブルとなるので、必ず書面で確認するべきでしょう。

 また、賃借人が無断でペット飼育することは問題ですが、何年も放置するのはある意味賃貸人の怠慢とも言えます。
 賃貸物件は必ず定期的に確認し、異常があれば直ちに賃借人等に問い合わせすべきでしょう。
 早く対処すればそれだけ原状回復の負担が少なくなります。

 いくら原状回復が賃借人負担だと言っても、なにもせず放置されるか支払いを逃れるケースが多いのが現実です。
 賃貸人も、まずは自分自身が負担する覚悟でいなければ、賃貸経営は必ず失敗します。

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