不動産の賃貸借(1) ~賃貸借の更新の拒絶~

新しいシリーズとして、『不動産の賃貸借』をスタートします。
と言っても気まぐれなブログなので、忘れたころに更新するかもしれません。

今回はいきなり“更新の拒絶”です。
先日、改正民法が公布されましたが、借地借家法上においては関連の法改正は今のところされておりません。
更新の拒絶とは、賃貸借契約書に定められた契約期間(普通は2年が多いです)が満了した時、通常は自動的に延長されるのですが、何らかの事情によりその更新を拒絶されることです。
特に貸主が更新拒絶を行う場合、居住用賃貸借についてですが、厳しい要件が課されております。(借地借家法第28条)

①貸主及び借主が建物を必要とする事情
②賃貸借に関する従前の経緯
③建物の利用状況
④建物の現況(建物の老朽化等)
⑤貸主の立退料等の提供

以上の5点です。
基本となる判断基準は“①”です。 そして⑤は“補完的”な事由です。 つまり、①~④の正当な事由がある場合にそれを補う為のものであって、⑤単独(①~④の正当事由無し)では貸主は更新拒絶することはできません。 言い換えれば、立退料の提示のみの場合、借主は更新拒絶を“拒絶”できるということです。

とどのつまり、一度賃貸借契約を行えば、貸主都合による解約は難しいということですね。

(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
第二十八条 建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。