タワーマンションの固定資産税の評価

税務通信平成28年8月1日号(No.3419)では、大規模ビルの固定資産税評価について東京都が新たな評価方法を提言しています。
尚、大規模ビルとは床面積が10万㎡以上の商業用などの事業用建築物で、居住用のタワーマンションを想定していないとのことですが、後々影響はあると思います。
評価方式の算定において、工事原価の要素を取り入れる案のようです。

東京都主税局・固定資産評価に関する検討会

そもそも、近年においてマンションの評価額の算定方法や課税誤りなどで訴訟が多く、市区町村役場側が敗訴となる判決が多いようです。
また、タワーマンションは租税回避に使われ、これについても課税当局側が更正処分を行っています。
そもそも、相続税や贈与税の課税の基礎となる固定資産税評価額と実際の取引価額との差が4~5倍になるのも珍しくありません。
この格差をどうすべきか、一般財団法人資産評価システム研究センターでは平成26年以降タワーマンションの評価方法を調査研究テーマの一つにして、現在も議論を重ねているようです。

一般財団法人資産評価システム研究センター・事業紹介・調査研究事業・固定資産税制度に関する調査研究

この研究内容を見ると、問題点は多々あるようですが、「眺望等の要素」と「高規格の建築資材」が現行の固定資産税評価にはまったく反映されていないというところでしょう。
しかし、眺望について何をもって貨幣価値に表すのかはほぼ不可能であることのように考えます。
なので、まだまだ議論は続き、結論は見えないでしょうね。
課税当局も、当面は財産評価基本通達6(この通達の定めにより難い場合の評価)で対応するようです。

財産評価基本通達

あと、調査研究をみてなるほどと思ったのが、まずタワーマンションの定義で、明確なものはないようですが、60mを超える建築物を大体そう呼ぶようですね。
また、平成25年実績では、「マンションの供給戸数に対するタワーマンションの割合」は、首都圏の20.9%に対して近畿圏が25.5%と高い点です。
もちろん、供給戸数自体は首都圏の方が倍近く多いのですが。
別の見方をすると、近畿圏はタワーマンションの供給割合を高めて土地を効率的に運用する(一極集中が進む)傾向にあるということでしょうか?